皆さん、こんにちわ。インターネット委員会の芝生です。先日蚊取り線香で有名な金鳥の紀州工場を見学してきました。
夏の風物詩「蚊取り線香」は約130年前に日本が世界に先駆けて発明した殺虫剤の元祖とも言える存在です。2013年には「世界初の除虫菊を含む蚊取り線香」として国立科学博物館が定める重要科学技術史資料(未来技術遺産)として登録されました。
蚊取り線香が出来るまで
蚊取り線香は和歌山工場と紀州工場の2拠点で製造しており、和歌山工場は定番商品を最新の生産設備で大量生産し、紀州工場はミニサイズなど多品種少量生産及び試作品製造を行っています。さて、前置きが長くなりましたが、紀州工場で蚊取り線香が出来るまでの工程をご紹介します。
①原料の調合
除虫菊の粉や植物性粉末、木粉など約10種類の原料をミキサーで約30分混ぜます。原料は天然物が多いので品質にバラツキがある為、受け入れ時に蚊取り線香を試作し、レシピを調整してるとの事です。
②捏和(ねっか)
染料と水を加えて練り合わせます。出来るだけ少ない水分で仕上げる為、重さ400㎏のドラムで押しつぶしながら約15分間練ります。
③押し出し成形
捏和を終えた原料は押し出し成型機でシート状に成形されます。
④打ち抜き
シートを金型で打ち抜き、渦巻型にします。金型は使用していると劣化してしまうので、毎日点検しメンテナンスしています。今は打ち抜いていますが、昔は職人による手巻きで、1枚約6秒で巻いていたそうです。視察時に手巻きを体験させて頂きましたが、約120秒要しましたので職人の凄さが分かると思います。
⑤乾燥
打ち抜いた蚊取り線香は水分量が多く柔らかいので、乾燥室で二日間自然乾燥させます。熟練した職人がその日の気温・湿度によってよろい戸(通風扉)の開閉具合を微調整しています。
⑥検品・出荷
重量、燃焼時間、有効成分量などの品質検査が行われ出荷されます。最盛期は1日30万巻の蚊取り線香を製造しています。
「蚊取り線香は生き物」という職人気質な工場長のお言葉が印象的な見学会でした。以上です。